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甲状腺機能低下症
- 病気の概要
- 甲状腺ホルモンは代謝を制御する上で主要な役割を担っています。正常な成長および発育に必須であり、毛周期における成長期を活性化します。甲状腺機能低下症は甲状腺の構造的または機能的な異常などによって甲状腺ホルモンの産生が不足して起こる全身性の疾患です。猫では本疾患を自然発症することはほとんどありません。
症状:一般的に見られる症状は活動性の低下、食欲増加を伴わない体重増加、徐脈、低体温です。皮膚症状は様々で、鼻筋や尾、胴体部に左右対称性の痒みを伴わない脱毛が見られることが多く、脱毛部に色素沈着を伴うこともあります。皮膚が厚みを増したり(肥厚(ひこう))、酵母菌や細菌による二次感染を受ける場合もあります。本疾患の症状に加えて痒みが見られた時は、そのような二次性の膿皮症や酵母菌感染、または毛包虫症が疑われます。
診断:血液生化学検査では高コレステロール血症が比較的よく見られます。診断を確定するには、甲状腺機能検査として血中の甲状腺ホルモンや甲状腺刺激ホルモンの濃度を測定します。
- 治療
- 検査結果や全身状態を考慮して適量のホルモン製剤を内服します。治療開始後は定期的にホルモン濃度を測定し、適切な血中濃度を保てるように薬の量を調整します。症状の改善には通常数週間~数ヶ月かかり、症状が消失した後も内服は生涯にわたって必要です。二次感染や毛包虫症がある場合はその治療も行います。
- 治療前
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表情に覇気が無く(悲しそうな顔)、くびれの無い体型も本疾患の特徴的な所見である。この症例はアレルギー性皮膚炎と外耳炎を併発しており、内股部分の皮膚には黄色い皮脂の塊が付着し、慢性的な炎症刺激により皮膚が象のように厚くなっている(苔癬化(たいせんか))。耳は激しい炎症のため軟骨が腫れ、耳の穴が確認できない。
![症例写真[治療前]甲状腺機能低下症](../images/img_case05_01.jpg)
![症例写真[治療前]甲状腺機能低下症](../images/img_case05_02.jpg)
![症例写真[治療前]甲状腺機能低下症](../images/img_case05_03.jpg)
![症例写真[治療前]甲状腺機能低下症](../images/img_case05_04.jpg)

- 治療後
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全身に発毛が見られ、皮膚は滑らかになった。外耳炎も劇的に改善し、耳道内の観察が容易である。
![症例写真[治療後]甲状腺機能低下症](../images/img_case05_05.jpg)
![症例写真[治療後]甲状腺機能低下症](../images/img_case05_06.jpg)

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